直送のCO2排出量の計算方法について



この計算は製品の配送や顧客の移動に関連するCO2排出量を定量的に評価し、持続可能な開発目標(SDGs)への具体的な貢献度を理解するために行います。特に、目標12(持続可能な消費と生産の確保)と目標13(気候変動に具体的な対策を)に注目し、実際の事業運営がどのようにこれらの目標に沿っているかを検証するためです。
なお、今回の比較部分では制作現場(東京都渋谷区本町)から宅配会社営業拠点まで同じルートを通るため除外して計算しています。




CO2排出量の計算は、多くの変数と仮定に基づいているため完全に正確であるとは限りません。しかし、利用可能なデータの精度と現実の変動要因を考慮しながら論理的なアプローチで意思決定を行うことが重要です。これにより一時的な流行に流されることなく、根拠に基づいたSDGsへの真剣な取り組みが促進されより持続可能な社会が実現されます。



計算には以下の重要なパラメータが含まれています
・・商品の平均重量: 1kg
・交通手段ごとのCO2排出係数と平均移動距離、利用割合
・営業所からの配送距離と貨物車のCO2排出係数
・ついでに来店する顧客の割合
・交通手段ごとのCO2排出係数: バス51g/km、電車19g/km、自家用車147g/km、徒歩自転車0g/km
・平均移動距離: バス5km、電車5km、自家用車5km、徒歩自転車3km
・交通手段の利用割合: バス5%、電車20%、自家用車55%、徒歩自転車20%
・ついでに来店される方の割合:70%
・配送距離: 営業所-店舗5.3km
・配送のCO2排出係数: 1トンの運送品を1kmの距離で運ぶ際に排出されるCO2の量は営業用貨物車が140g(0.14g-CO2/kg-km)
・配送距離: 営業所-顧客宅5.38km
これらのパラメータに基づき、顧客の移動と製品配送のCO2排出量を計算しました。特に「ついでに来店する」割合を考慮することで実際の環境への負担が過大評価されることなく、より正確な影響評価が可能となります。



【商品店舗受け取り時のCO2排出量についての計算式】
店舗への商品配送CO2排出量 = 営業用貨物車のCO2排出係数 × 配送距離 × 1kgの配送重量
顧客の移動CO2排出量 = 2 × (((交通手段のCO2排出係数 × 平均移動距離 × 利用割合 × 0.5) × ついでの来店率) + ((交通手段のCO2排出係数 × 平均移動距離 × 利用割合) × (1 – ついでの来店率)))
総CO2排出量 = 店舗への商品配送CO2排出量 + 顧客の移動CO2排出量

顧客の移動CO2排出量(往復): 約566.8g、店舗への商品配送CO2排出量: 約0.742g
計算結果:総CO2排出量(往復含む)約567.542g

【商品直送の場合のCO2排出量についての計算式】
商品直送の場合のCO2排出量 = (営業用貨物車のCO2排出係数 × 配送距離 × 1kgの配送重量) × (1 + 再配達の追加回数 × 再配達率)
この式で再配達の追加回数は往復分を含め2回、再配達率は0.114(11.4%)。
計算結果:総CO2排出量は約0.911g
【結果】
店舗受け取りの総CO2排出量は約567.542g、顧客宅直送のCO2排出量は約0.911gと算出されました。

なお、制作現場(東京都本町)から宅配会社営業拠点は26kmとなり1オーダーあたりのCO2排出量は約3.64gとなります。



この計算結果から、顧客宅への直送がCO2排出量を顕著に減少させることが示されましたが、店舗での受け取りも多くの顧客がついでに来店することでCO2排出量が大幅に削減されることが明らかになりました。このような結果に基づき配送計画を調整することができます。

さらに環境影響の検証を定期的に行い、改善策を継続的に導入することがもっとも重要です。これにより、SDGsへの貢献を実現しながら、ビジネスの持続可能性も高めることができます。





(株)テイク・フォト・システムズ 代表取締役 藤本 圭
私は、母校の二人の恩師、阪川武志先生内藤明先生のもとで、写真全般だけでなくアーカイバル技術や写真の長期保存について学びました。この経験を活かし、創業以来私と私の会社では環境負荷を最小限に抑え、写真アルバムの保存性を高めるための様々な取り組みを行ってきました。

【長期保存性を高める技術】
PVCの廃止:PVCは環境に与える影響が大きいだけでなく、写真の保存性に影響を与えるため、その使用を極力控え性能の高い材料を積極的に導入しています。
ラミネート技術:アクリルやPETを使用したラミネートを施すことで、アルバムの素材が酸化と有害なガスから写真を保護するようにしています。また、湿度管理された美術用ボード紙や長期保存用の無酸性紙の使用により写真の保存性を向上させています。
素材ごとの対応策:本革や木材を使用する場合も、これらから発生する微量の酸性ガス・VOCs(揮発性有機化合物)の影響を極力抑えるために、必ずアクリルまたはPETのラミネートを行なっています。

【持続可能な経済判断】
私たちの会社では、機材や素材をできる限り寿命まで使い切ることで資源の有効利用と経済性を両立させています。例えばエネルギー効率が高いとされるLED照明についても、単純にエネルギー効率だけを見て導入するのではなく高い演色性が求められる撮影環境では、蛍光灯との比較を行い経済性や実用性を慎重に検討しています。
このように経済合理性に基づいた計算と判断を重視し、持続可能な選択を行っています。

【専門的な知識と経験】
私は写真制作においてデジタル技術にも深く関わっており、Photoshopに関する著作や特許(特許 第4756149)も保有しています。
これにより、デジタルとアナログの両分野における幅広い技術的知識を活用しアルバム制作の効率化と保存性向上に貢献してきました。私の経験と知識を基に、これらの取り組みが弊社のSDGsへの貢献にもつながっています。

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